口腔粘膜や舌が乾燥する病気で唾液の量が減少するのが大きな原因のひとつです。唾液は口の中で非常に重要な役割をもっています。そのうちのひとつは食べ物の消化、もうひとつが噛み砕いた食物を食道に流し込む働きです。消化の働きをする唾液はネットリしていて、この唾液が減少することはあまりありません。もうひとつの食べ物を流し込む唾液はサラサラしていて、この唾液が減少しやすいのです。 |
当院にかかる方を診ていると圧倒的に女性が多く95%以上を占めています。年齢的には30歳代後半から60歳代後半まで、更年期や閉経と関係があるのではないかと推察されます。またここ数十年日本の食生活にはいりこんできた科学調味料やスナック菓子に多く含まれるナトリウムやカリウムも原因のひとつと思われます。 |
症状として初期は口の中のヒリヒリ感とカステラやマドレーヌのような口の中の水分を奪うようなものが食べづらくなって飲み物と一緒に流し込まないと飲み込めなくなります。それが続くと、いつもは唾液とともに飲み込んでいるバイ菌が飲み込めないことで口の中で繁殖し始めます。増えたバイ菌はツルッとした粘膜よりもザラザラした舌の上を好みます。すると舌の上はバイ菌で白い層ができたり深い溝ができてしまいます。タバコをすう方や刺激物を好む方は更に悪化します。 |
症状の重い軽いはあっても意外に悩んでいる方は多く、ただ皆さん何科を受診すればいいのか迷っているうちに症状は進んでしまいます。内科で人工唾液を処方されますが、これがベトベトして、まずく眠りを妨げます。 |
唾液腺(唾液の出る穴)を高周波電流で刺激して唾液が出やすい状態にしてやるとともに口の中に保湿効果のあるジェルを塗っていただいたり殺菌作用の強いうがい薬でバイ菌を洗い流してやると症状は軽減してきます。この時に決して歯ブラシなどで舌をこすったりしないでください。舌の上の味覚細胞は非常に壊れやすく味覚障害を起こしてしまいます。 |